南さつまチームサポーターのYです。
突然ですが、11年前の今頃、皆さんは、どこにいて、
何をしてお過ごしでしたでしょうか??

 

こちら南さつま市大浦町では、ちょうど11年前、
地域の皆さんのみならず、国をも動かした
それまで誰もが全く経験したことのない出来事が起きたのです。

 

そう、それは、南薩にお住まいの方なら誰もが忘れられない、
マッコウクジラ14頭の座礁です。

 


 

ある日、毎朝の日課で海の様子を見に行った町民のお一人が、
海岸の異変に気付いてからこの出来事は動き出します。
 

すぐさま主要メディアがこぞって取り上げたこともあり、
当時人口3000人弱の町には、くじら達が座礁した現場をひと目見ようと
見物に訪れた人の車が絶えなかったといいます。
 


 

当時、日本で初めてのマッコウクジラ大量座礁。
一番大きなクジラは体長およそ17m・重量40トン!
そのほかの多くが20~30トンの、すべて若いオスの群れ。
 

かろうじてまだ生きているクジラの救出を最優先に、
その他のクジラをどこに移動させるべきか・・・。
 

クジラの体に海水をかけ続けるなどした24時間体制、
不眠不休でクジラを見守る人たち。
土木関係者、漁業関係者、学術関係者、ダイビング関係者、
行政関係者、メディア関係者。
 

現場の大浦町民のみならず、隣接する市・町の人たち、
鹿児島全域から次々に応援に駆けつけてくれた方々。
 

多くの方がここ大浦に来てくださり、この出来事の解決に向け
力を尽くされたと聞きます。
 
 
 

現場からほど近い地区にお住まいの
有限会社有木機工の有木由美さんに
当事の様子をを伺うことができました。
(いつもありがとうございます!)
 

「『大浦が初めて全国放送のテレビに出たね!』って大騒ぎだったのよ!」
 

と、この出来事をほとんど知らなかった私に、笑顔で教えてくれました。^^
 

有木さんのお子さんがその当時通っていた大浦小学校の児童の皆さんは、
全校児童揃ってスクールバスに乗り合い、この座礁現場へ
先生と一緒に観に行ったのだそうです。
当時の週報(学級便りのようなもの)をご好意で見せて下さいました。
 

「命の学習ができたかもしれません。」
 

先生はこの出来事をこのように書き記していらっしゃいました。
クジラの救出を願って、みぞれ交じりの強い向かい風の中、
児童さん達は大きな声で声援を送り続けたのだそうです。
 
 
 

さて、かろうじて座礁翌日の午後に、1頭を沖合まで台船で牽引し
海に返すことができたのですが、息絶えた13頭のクジラたちを今後どうするか・・・。
 

腐敗が進む中、陸に埋設(埋め立て)するか?
それとも海洋沈設(海に沈める)するか??
 

議論を重ね、さらに海が時化る日が続いたこともあって、
海洋沈設が完了したのは、座礁した日から11日間後のことでした。
 

流れ出た鯨油、それが腐敗し辺りに漂う猛烈な臭い、
(↑お話しを伺った方曰く・・・なんとも例え難い、のだそうです)
数十トンの重さにもなる巨体、そして長引く時化が、
作業する方々を悩ませたと、記録物や過去の新聞記事に
書き残されています。
 

この出来事を次世代に伝えるために、座礁のほぼ1年後、
座礁場所の近くにある、大浦特産品販売所「ふるさと館」横に、
マッコウクジラのモニュメントが造られました。
 

(地図はこちらから → http://goo.gl/maps/FBhWw
 


 

このマッコウクジラ、ある方向を向いていることをご存知ですか?
 

モニュメントの頭から尾びれ方向の延長線上には・・・
少し離れていますが海があります。
 

その場所こそ、あのマッコウクジラ14頭が座礁した“現場”★
モニュメントを取り囲むように立つ柱状の石は、
残念ながら息絶えてしまったクジラたち13頭を表し「13本」!
救出された1頭(=モニュメント)を見守るようにと囲んで
レイアウトしてあるのだそうです。
 

さらに、モニュメントを支えるこんもりした丘。
 

この丘の直径は、座礁した一番大きなクジラの体長と同じ長さ(大きさ)です!
「こんなに大きかったんだ!!」と実感できます。
ぜひ、大きさを体感しに来てみてください♪
 
 
 

そして2013年は、座礁した年からちょうど11年の節目を迎えます。
これを機に、3月10日(日)、この大浦の地にクジラ座礁を後世に伝える新たな施設、
「くじらの眠る丘」がオープンします!
 


(*完成予想図。建設現場の防塵壁に掲示してあります)
 

外壁はクジラが泳いでいるようにデザインされ、
館内では当時の救出現場の写真パネルを展示する運びとなっています。
さらに、このとき座礁したうちの1頭の、完全な全身骨格標本がお披露目されます!
全国に数体しかない、大変貴重なものです。
 

マッコウクジラ自体がまだ生態が解明されていない謎の多い生き物であり、
座礁することもごく稀。
当時の座礁直後には、国立博物館をはじめとした全国の博物館・資料館などから、
 
骨格標本の提供依頼が10数件も殺到したとの記録が残っています!
 

どうぞみなさん!ぜひあの時のクジラに会いに来てくださいね!
3月10日(日)オープンです!!
 
 

 
※今回のブログを作成するにあたり、南さつま市総務企画部企画課地域政策係より、この座礁の記録を1冊に纏めた写真史、「鯨との日々~くじら座礁の記録-2002.1.22~」(南薩西部地域振興対策協議会発行、カラー全90頁)をお借りし、掲載写真とタイトル(紙面上のもの)のブログへの掲出と、当記事の参考とすることへのご理解をいただきました。
また大浦町・農業機械販売店「有限会社有木機工」の有木由美さんにも、お手元の資料を見せていただきながらお話しを伺いました。
そのほか、大浦町でお話しを伺った方、ならびに関係者の皆さまへこの場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。
 
 
 
 
 

2013年01月30日
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